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加算税と延滞税 — 修正申告の時期で何が変わるか
本来の税金に上乗せされるのが加算税、納付が遅れた日数に応じてかかる利息が延滞税です。加算税の率は、いつ修正申告(期限後申告)を出したかで決まります。
境目は二つ
率を分けるのは、次の二つの時点です。
- 調査通知の前か、後か。調査通知とは、実地の調査を行う旨と対象の税目・期間などの通知で、通常は事前通知の際に併せて行われます。
- 更正・決定を予知する前か、後か。調査によって誤りが把握され、更正や決定があることを予知してから出したかどうか。個別の事情で判断されます。
調査通知の前に自分から出せば、いちばん低い率です。これは法律に書いてあります。
第一項の規定は、修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでない場合において、その申告に係る国税についての調査に係る第七十四条の九第一項第四号及び第五号(納税義務者に対する調査の事前通知等)に掲げる事項その他政令で定める事項の通知(次条第六項第二号及び第八項において「調査通知」という。)がある前に行われたものであるときは、適用しない。
出典:国税通則法(昭和37年法律第66号)(2026-09-05 取得の現行条文)
期限後申告書又は第一項第二号の修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正又は決定があるべきことを予知してされたものでない場合において、その申告に係る国税についての調査通知がある前に行われたものであるときは、その申告に基づき第三十五条第二項の規定により納付すべき税額に係る第一項の無申告加算税の額は、同項から第三項までの規定にかかわらず、当該納付すべき税額に百分の五の割合を乗じて計算した金額とする。
出典:国税通則法(昭和37年法律第66号)(2026-09-05 取得の現行条文)
過少申告加算税(申告はしたが、少なかった)
| 修正申告を出した時期 | 率 | 一定額を超える部分 |
|---|---|---|
| 調査通知の前(自主的な修正申告) | 課されない | — |
| 調査通知の後、更正を予知する前 | 5% | 10% |
| 更正を予知した後、または更正を受けた | 10% | 15% |
「一定額」は、当初の申告納税額と 50 万円のいずれか多い額。それを超える部分に 5% が上乗せされます(国税通則法 65 条 2 項)。調査で帳簿の提示を求められて出さなかった場合などは、さらに 10%(または 5%)が加算されます(同 4 項)。
期限内申告書(還付請求申告書を含む。第三項において同じ。)が提出された場合(期限後申告書が提出された場合において、次条第一項ただし書又は第九項の規定の適用があるときを含む。)において、修正申告書の提出又は更正があつたときは、当該納税者に対し、その修正申告又は更正に基づき第三十五条第二項(申告納税方式による国税等の納付)の規定により納付すべき税額に百分の十の割合(修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでないときは、百分の五の割合)を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税を課する。
出典:国税通則法(昭和37年法律第66号)(2026-09-05 取得の現行条文)
無申告加算税(申告していなかった)
| 期限後申告を出した時期 | 50 万円まで | 50 万円超 300 万円まで | 300 万円超 |
|---|---|---|---|
| 調査通知の前(自主的な期限後申告) | 5% | 5% | 5% |
| 調査通知の後、決定を予知する前 | 10% | 15% | 25% |
| 決定を予知した後、または決定を受けた | 15% | 20% | 30% |
300 万円を超える部分の区分は、令和 6 年 1 月 1 日以後に法定申告期限が到来するもの(所得税は令和 5 年分以降)に適用されます。前年・前々年にも無申告加算税等を課されていた場合や、5 年以内に課されたことがある場合は、さらに 10% が加算されます(国税通則法 66 条 6 項)。
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該納税者に対し、当該各号に規定する申告、更正又は決定に基づき第三十五条第二項(申告納税方式による国税等の納付)の規定により納付すべき税額に百分の十五の割合(期限後申告書又は第二号の修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正又は決定があるべきことを予知してされたものでないときは、百分の十の割合)を乗じて計算した金額に相当する無申告加算税を課する。 ただし、期限内申告書の提出がなかつたことについて正当な理由があると認められる場合は、この限りでない。 一 期限後申告書の提出又は第二十五条(決定)の規定による決定があつた場合 二 期限後申告書の提出又は第二十五条の規定による決定があつた後に修正申告書の提出又は更正があつた場合
出典:国税通則法(昭和37年法律第66号)(2026-09-05 取得の現行条文)
法定申告期限から 1 か月以内に自分から期限後申告をし、期限内に申告する意思があったと認められる一定の場合には、無申告加算税は課されません(同 66 条 9 項)。
重加算税(隠蔽・仮装があった)
事実の全部または一部を隠蔽し、または仮装し、それに基づいて申告していた(または申告しなかった)場合は、過少申告加算税・無申告加算税に代えて重加算税が課されます。過少申告なら 35%、無申告なら 40%。5 年以内に繰り返した場合などは、さらに 10% が加算されます。
第六十五条第一項(過少申告加算税)の規定に該当する場合(修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでない場合を除く。)において、納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、かつ、その隠蔽し、又は仮装したところに基づき納税申告書又は第二十三条第三項(更正の請求)に規定する更正請求書(次項において「更正請求書」という。)を提出していたときは、当該納税者に対し、政令で定めるところにより、過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されていないものに基づくことが明らかであるものがあるときは、当該隠蔽し、又は仮装されていない事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に係る過少申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額に百分の三十五の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を課する。
出典:国税通則法(昭和37年法律第66号)(2026-09-05 取得の現行条文)
単なる計算誤りや記載漏れは、隠蔽・仮装ではありません。ただし、売上を意図的に除外する、架空の経費を計上する、書類を書き換える、といったことは該当します。調査の連絡が来てから書類を捨てたり直したりすることが、いちばん危ないのはこのためです。
延滞税(納付が遅れた日数の利息)
期限後申告や修正申告で納める税金には、法定納期限の翌日から納付の日までの日数に応じた延滞税がかかります。延滞税は本税だけにかかり、加算税にはかかりません。
率は「年 7.3%」「年 14.6%」が原則ですが、特例基準割合によって毎年変わり、実際にはこれより低い率が適用されています。その年の率は、国税庁の案内で確かめてください。本サイトには率を載せていません。
何年分までさかのぼるか
税務署が更正や決定をできる期間は、法定申告期限から原則 5 年です。偽りその他不正の行為があった場合は 7 年になります。「実務では 3 年分から始まることが多い」と言われますが、それは運用の話で、法律上の期間は 5 年です。
次の各号に掲げる更正決定等は、当該各号に定める期限又は日から五年(第二号に規定する課税標準申告書の提出を要する国税で当該申告書の提出があつたものに係る賦課決定(納付すべき税額を減少させるものを除く。)については、三年)を経過した日以後においては、することができない。 一 更正又は決定 その更正又は決定に係る国税の法定申告期限(還付請求申告書に係る更正については当該申告書を提出した日とし、還付請求申告書の提出がない場合にする第二十五条(決定)の規定による決定又はその決定後にする更正については政令で定める日とする。) 二 課税標準申告書の提出を要する国税に係る賦課決定 当該申告書の提出期限 三 課税標準申告書の提出を要しない賦課課税方式による国税に係る賦課決定 その納税義務の成立の日
出典:国税通則法(昭和37年法律第66号)(2026-09-05 取得の現行条文)
7 年の規定は国税通則法 70 条 5 項(偽りその他不正の行為があった場合)。e-Gov 法令検索
勧奨に応じるかは任意
調査の終わりに、誤りの内容と額の説明があり、修正申告を勧められます。応じるかどうかは任意です。応じれば不服申立てはできませんが、更正の請求はできます。応じなければ、更正の処分が行われ、それに対して不服申立てができます。
前項の規定による説明をする場合において、当該職員は、当該納税義務者に対し修正申告又は期限後申告を勧奨することができる。 この場合において、当該調査の結果に関し当該納税義務者が納税申告書を提出した場合には不服申立てをすることはできないが更正の請求をすることはできる旨を説明するとともに、その旨を記載した書面を交付しなければならない。
出典:国税通則法(昭和37年法律第66号)(2026-09-05 取得の現行条文)
どちらを選ぶかは、指摘の内容に納得しているかで決まります。その場で決めなくてよい、というのがこの条文の意味です。
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